海外へ移住が決まり、気になることのひとつに住民票のことがあがります。
海外に住むに当たって「住民票を日本に残していくのか」それとも「海外転出届けを出して住民票を抜く」のか実際に私も迷いました。
住民票を残すことでのメリットやデメリットなどをまとめてみました。
海外に滞在する期間によって決める
海外に行く際に住民票をどうするのか決める一般的な基準は海外にどれぐらいの期間滞在する予定なのかによって決まるそうです。
私が住んている地域の市役所に確認したところ
一年以上海外に住む予定があるなら転出届が必要
一年以内に帰ってくる予定があるなら住民票はそのままでも良い
とのことでした。
住民票を抜くか残していくかは、海外に行く期間によって決まるそうです。
ただどれぐらいの期間行くのかはっきり決まっていない場合や日本と海外を行き来する場合などは、メリットデメリットを考えた上で自分で判断しても良いようです。
住民票を残して海外に行く場合
住民票の登録には日本に住所が必要です。
あくまで住民票は、日本に住んでいる人が登録するものなので
実際には海外にいるけれど住民票があるということは「日本に住んでいるということにしておく」ということになります。
日本国内に持ち家や実家がある場合は、そこの住所で登録するようにしましょう。
もちろん住民票があれば、日本に住んでいる人と同じように保険に入ったり年金を払う義務が生じてくるので海外にいる間にも健康保険料や国民年金は払い続けなくてはいけません。
その代わりマンナンバーも維持でき、日本で病院に行った時にも今までと同じように保険が効きます。
短期間の海外移住や頻繁に日本に帰国する場合には住民票を残していったほうがメリットが多いように感じます。
海外転出届を出す場合
長期にわたり海外に住むことが決まっている場合には海外転出届を出す必要があります。
海外転出届を出すと日本での住民票はなくなりマイナンバーなども消されてしまいます。
ただ、海外に住むということなので日本での健康保険料を支払わなくても良くなり、住民税などの納税の義務がなくなる（1月1日に住民票がない場合）ので余計な出費は無くなります。
海外にいながら日本で税金を払うのはもったいないですよね。
日本の年金は任意で払い続けてもいいし、海外にいる間は免除することもできます。
（免除した分はもらえる金額も少し減ってしまいますが）
転出届を出しても年金だけは同じように払うこともできるので、任意で国民年金を払い続ければ将来満額でもらうことも可能ですよ！
海外に行く時に転出届を出して住民票を抜いてしまうと、一時帰国した時に病院に行く時に無保険になってしまいます。
市によっては、一時帰国の間だけまた住民登録をして保険適用にしてくれるところもあるのでそういったところは住んでいる地域の役所に問い合わせてみるといいかもしれません。
住民登録をするとその期間の健康保険料は発生するのでその期間の支払いを忘れないように注意が必要です。
一時帰国中は海外旅行の保険が使える場合もあるので、住んでいる国のクレジットカードの保険や旅行者用の保険も検討してみるといいかもしれませんね。
住民票と抜くと、日本で銀行口座を作ったり保険に入ったりというのが難しくなります。
日本に住所がないと銀行口座が作れないことが多いのでもし日本に口座が必要な場合は住民票があるうちに作っておくといいですよ！
銀行によっては海外転出によって口座が使えなくなる場合もあるそうです。
海外転出届の出し方
では実際、海外転出届はどうやって出すのかまとめてみました。
海外転出届に必要なもの
- 身分証明証（免許証など）
- 印鑑
- 印鑑登録証（ある場合）
- 国民健康保険証（加入している場合）
- 住民基本台帳カード
※必要なものは各自治体によって違いがあるようなので詳しくは電話で問い合わせるかホームページなどで確認してください。
海外転出届受付期間は、海外渡航の14日前から。
届け出人は、本人または世帯主となっています。
海外転出届は、国内で引越しをする場合と同じ「転出届」に記入します。
この時、転出先に渡航する海外の国名を記入するだけなので結構簡単にできますよ！
メリット・デメリットのまとめ
全体的にメリットとデメリットをまとめてみます。
住民票を残すメリット
- 日本に帰国してすぐに病院に行って保険が効く
- 一時帰国した時の手続きが不要
- 子供がいる場合、児童手当がもらえる（外国と日本を行き来する場合）
住民票を残すデメリット
- 税金や保険料の支払いをしなければいけない
- 日本での住所の登録が必要
海外転出する（住民票を抜く）メリット
- 国民健康保険料が免除される
- 住民税が免除される
- 国民年金は任意で免除することができる
メリットとしては、お金に関することが多いですね！
住民ではなくなるので支払い義務がなくなるということです。
海外転出する（住民票を抜く）デメリット
- 健康保険が使えなくなり医療費が全額負担になる
- 銀行口座が作れなくなる
海外転出届けを出した後に一時帰国するときには、病院に行く時に健康保険の手続きが必要になります。
もしもの場合に備えて帰国中の医療費をカバーできる保険に入るなど対策しておくと安心です！
子供がいる場合
独身の場合や子供のいない夫婦であれば、転出届を出すメリットが多いように思いますが、子供がいる場合にはまた少し変わってきます。
日本では児童手当という制度があり、住民票の有り無しによって手当がもらえるかどうかが変わってきます。
児童手当は、現在中学生以下の子供を監護している人に受給されます。
基本的には海外に住んでいる子供には受給されませんが
小さい子供がいて海外と日本を行ったり来たりする場合や、日本の病院に年に何回もかかる予定があれば残しておいてもいいかもしれません。
※小さい子供でも国民健康保険に加入している場合には大人と同じ保険料がかかります。
ただ、ずっと海外に住んでいるのに児童手当をもらい続けるのは違法です。
（不正受給が発覚すると全額返金と罰金になるそうです）
ワーキングホリデーに行った時の体験談
私が数年前にワーキングホリデーで海外に１年半行った時には、当時独身だったため海外転出届を出していきました。
渡航前は１年間のつもりでしたが、結局期間が延びて１年半行ってきたので転出届を出しておいてよかったです。
その時は海外旅行者の保険に入ったため、日本での保険は必要なかったので保険料を払わなくてよかったのは助かりました。
また年金も免除にしていきました。
その時もったいないと思ったことは、渡航日が1月だったということ。
１ヶ月早く12月に渡航していれば次の年の住民税が免除になったのですが、1月1日に住民票があると１年間支払いの義務が生じます。
結局海外にいても１年間は住民税を払いましたが、その時の支払いは親にお願いしていました。
（もちろん、お金は自分で用意しました）
海外に行くのが年末や年明け付近なら、年越し前に行くのが税金に関してはお得です。
家族で海外に移住する場合
私たちは日韓夫婦ですが、今後家族で韓国に移住する場合は、夫（韓国人）だけ転出届を出して私と子供の住民票は残していくつもりです。
子供がまだ小さいため、年に数回は日本へ帰国するつもりでいることと帰国時には日本の病院へかかる予定があるからです。
住んでいる地域の市役所に問い合わせところ、日本と海外を行き来する場合には住民票を置いたままでいいとのことでした。
子供が小学生になって海外の学校に通うようになったら転出届を出そうかと思っています。
まとめ
住民票を抜くか抜かないか基本的な決まりはあるものの、状況や海外の滞在期間によって本人が決めることができます。
実際のところ海外にいても住民票をそのままにしている人もいれば、短期の移住でも転出届を出す人もいるのでグレーなところも多いです。
経済的には転出届を出した方がメリットが多いですね。
ただ、子供がいる場合や短期の場合はよく検討する必要があります。
知り合いに海外移住者がいれば、実際の体験で困ったことや良かったことなど聞いてみるといいかもしれません。
この記事が少しでも参考になればと思います。
